知財部員のための特許権行使戦術
本書は、特許権侵害と各請求権の詳説、紛争の事前対処(異議申立、無効審判など)と事後対応(交渉、ADR、裁判など)について、実務知識やノウハウを紹介したものです。
本書前半は、近年の裁判例を示しつつ、どのような場合に特許権侵害が成立するかを解説しています。また、差止請求や損害賠償請求などの各請求権についても解説しています。特に、損害額の算定については、近年の法改正、裁判例を反映した最新情報であり、実務上役立つものになるよう企図しました。
本書後半の紛争解決に関しては、「戦略と戦術の区別が大事…なぜなら戦略上の誤りを戦術的努力で補うことはできないから」とか、「思わぬ敗訴を避けるために注意すべき観点は…」など、けっこう大胆な話題を取り上げています。しかし、実のところは共著者の一人山内康伸が企業の知財部員だった頃の経験と失敗を思い起こして記述したものです。それだけに現役知財部員の方々には是非知って欲しい実践知か、と思っています。
本書が皆様の日頃の実務遂行に多少なりともお役に立てたら幸甚に存じます。
目次
第1章 特許権侵害
1.1 文言侵害
1.2 均等侵害
1.3 間接侵害
1.4 無効理由に基づく権利行使の制限
1.5 特許権の消尽
1.6 先使用権
1.7 特許権の効力が及ばない範囲
1.8 実用新案権侵害
第2章 特許権侵害に対する請求
2.1 差止請求
2.2 損害賠償請求
2.3 不当利得返還請求
2.4 補償金請求
2.5 信用回復措置請求
2.6 標準必須特許の注意点
第3章 特許の成立を争う手続
3.1 紛争の未然の防止
3.2 情報提供
3.3 異議申立制度
3.4 異議申立のシミュレーション
第4章 特許の有効性を判断する手続
4.1 特許の有効性を判断する手続
4.2 無効審判制度の概要
4.3 無効審判の請求
4.4 無効審判において特許権者がとれる応答手続
4.5 無効の抗弁に対する訂正審判の請求
4.6 無効審判のシミュレーション
第5章 無効審判の審決に対する不服申立て
5.1 無効審判の審決に対する取消訴訟の概要
5.2 提訴および原告がとるべき手続
5.3 応訴および被告がとるべき手続
5.4 無効審決取消訴訟のシミュレーション
第6章 紛争を解決するための手順とメニュー
6.1 紛争解決のための準備行動
6.2 警告と当事者間交渉
6.3 裁判外紛争解決手続における調停と仲裁
6.4 裁判所知財調停
6.5 裁判(侵害訴訟)
第7章 特許侵害訴訟当事者本人の役割
7.1 侵害訴訟に必要な判断と準備
7.2 侵害訴訟を始めたときの当事者本人の役割
7.3 侵害訴訟の進行中における当事者本人の役割
7.4 侵害訴訟を終えるときの当事者本人の役割
7.5 侵害訴訟のシミュレーション
裁判例索引
語句索引